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活動内容

1. 聖アントニオ女子孤児院への毎年のクリスマス訪問

私は2003年にホンジュラスを初訪問して以来、同国西部に所在する施設「聖アントニオ女子孤児院」の子供たちとの交流を深め、20年間に渡り毎年クリスマスに彼女たちの元を訪ね続けています。
このクリスマス訪問はこの施設に対する如何なる具体的支援活動に伴うものでもなく、ただ彼女たちと聖夜を共に過ごす事それ自体を唯一の目的とするものです。何故ならそれが一般家庭における普遍的なクリスマスの過ごし方であり、集うべき家族のいない彼女たちにとって、それは何よりも大きな喜びとなり、何よりも大きな力になると信じているからです。
孤児である彼女たちに必要な支援は衣食住や教育だけではありません。それより遥か以前に必要なものがあるのです。それを届けるために、これからも毎年クリスマスに彼女たちの元を訪ね続けて行きたいと思っています。

聖アントニオ女子孤児院の子供たち


孤児院の子供たちから贈られた樹木の絵(2017年)

2017年に孤児院の子供たちから贈られた一枚の樹木の絵。彼女たちはそれを「木の幹がマリオでその実は私たち」と説明してくれました。そこに描かれたひとつひとつの実は、子供たちがそれぞれ自分の指に絵具を塗って血判のように捺印したものです。そして一番下には“Mario estamos contigo siempre”「マリオ、私たちはいつでもあなたと一緒よ」と書かれてあります。さらに裏面には子供たち全員の自筆の署名が記されています。
それはまるで孤児である彼女たちが私との関係を通して、もはや孤児ではない自分たちの姿を見出しているかのように思えます。そしてそれはこの毎年のクリスマス訪問を通して私がひたすら思い描いて来たひとつの理想であり、長い年月の果てに遂に形となったひとつの現実です。

孤児院の子供たちから贈られた感謝の手紙(2015年)

2015年に孤児院の子供たちから贈られた手紙。そこには“Con su presencia ha hecho que sonriamos”「あなたは私たちを笑顔にしてくれた」と書かれてあります。孤児院の子供たちに笑顔を届けることは最高の支援のひとつと考えています。

孤児院の子供たちから贈られた感謝の手紙(2018年)

2018年に孤児院の子供たちから贈られた手紙。そこには“Gracias por formar parte de nuestro círculo familiar”「私たちの家族の一員になってくれてありがとう」と書かれてあります。孤児院の子供たちの家族の一員となることは、何よりも大切な支援のひとつと考えています。

2. 困窮者支援施設「聖母の家」への財政支援

また2005年以来ホンジュラス西部に所在する困窮者支援施設「聖母の家」との友好関係を築き、同施設の活動全般を支えるための財政支援を行っています。
「聖母の家」はホンジュラス西部辺境に位置する過疎化した小さな街に所在し、その地域は都市部から遠く離れたいわゆる「田舎」であるため、助けを必要とする多くの困窮者がいるにもかかわらず、その地理的条件上国内外からの支援がほとんど到達しません。また当施設が社会福祉法人格であるにもかかわらず、この国を深く蝕む政治汚職に伴う公的機関の腐敗により、国や自治体からの助成にも一切期待出来ません。
このような状況に於いて「聖母の家」では地元の有志による食糧、物資の提供と寄附金に基づく困窮者完全無償支援活動を行っていますが、その運営には常に財政難が伴い、活動の安定的継続に向けたより強固な経済的基盤の確立が恒常的課題となっています。
私は日本で義援金を募り、2005年以来18年間に渡り継続的に「聖母の家」に対する財政支援を行い、その活動を支えて来ました。この経済的支援はこの施設に到達する唯一の国外からの支援であり、その毎年の支援額は年間運営経費の約15%(およそ10,000米ドル/年)を賄っており、施設の活動全般を支える大きな柱のひとつとなっています。
今後も「聖母の家」の困窮者完全無償支援活動を支えるために日本から協力して行きたいと思っています。

※「聖母の家」の主な活動内容:病気の生活困窮者を対象とした無料診療所の運営、及び身寄りの無いお年寄と障害者の終身保護。

困窮者支援施設「聖母の家」



「聖母の家」無料診療所の様子

ホンジュラスの公立病院は原則無料で受診することが出来ますが、その多くは恒常的政治汚職に伴う組織的退廃により病院としての体を成しておらず、その医療水準も極めて低いため、罹患の際には私立病院を受診することが強く推奨されます。しかしその場合自由診療となり費用が高額となるため、国民の大多数を占める貧困層には受診することが困難です。「聖母の家」ではこれらの人々を対象とした無料診療所を開設し、医師による診察と薬の処方を無償で提供しています。日本からの義援金がこの診療所の運営費を補助しています。

「聖母の家」無料診療所玄関

医師による診察

臨床検査技師による検査

無料診療所の待合室

非常に高価なホンジュラスの処方薬

医師による治療と処置

この施設で終身保護されている身寄りの無いお年寄りと障害者たち。日本からの義援金が彼らの生活を様々な形で支えています。

日本からの義援金により調達された入居者たちの食糧と生活物資

これらの支援活動は如何なる法人及び団体によるものではなく、私小野健治個人が自身の仕事の余暇に行っている私的ボランティア活動です。この活動のためにかかる渡航費用他一切の経費は私の自己負担にて賄われております。故に支援者の方々からお預かりする義援金はその全額がホンジュラス支援(「聖母の家」支援)のために充てられております。